【2024年最新】
太陽光発電は今でもメリットあるの?
「売電価格が下がったので、太陽光発電はメリットがなくなった。」
「今から設置しても元がとれない。」
これはインターネットのコメント欄やSNSなどで目にする意見です。
もう設置はやめたほうがいいのでしょうか?
いいえ、そうではありません。
実はこれ、太陽光発電の最もよくある誤解のひとつです。
実際のところ、太陽光発電は今でも十分なメリットがありますし、元もとれます。
それではどういうことなのか、順を追って説明させていただきます。
まずは結論から言うと…
- 売電価格が下がったのは、設置費用が安くなったから
- 太陽光発電をどのタイミングで設置しても収益性は同等になる
それでは詳しくみていきましょう。
まずは売電制度について内容を確認します。
大前提として
国は再生可能エネルギーを増やそうとしています。
その目的は主に以下の2点です。
- ① 温室効果ガス(CO2)を削減して、地球温暖化をふせぐ。
- ② ロシアによるウクライナ侵略などにより世界のエネルギー情勢が不安定になるなか、エネルギー源の多様化をはかる。
再生可能エネルギーを増やすための支援策として売電制度があります。
現行の売電制度を「FIT法(フィット)」と呼びます。
FIT法の内容はこちらです。
- 設置した年度の売電価格が10年間固定される。
- 売電価格は委員会での議論をもとに毎年度決定される。
※ 10kW未満の住宅用太陽光発電についての内容です。
この制度のおかげで、設置費用を回収する見通しが立ちやすくなります。
設置する前に何年程度で元がとれるかが分かりますので、リスクを背負わずに設置することができます。
この売電価格ですが、FIT法が施行された2012年度は42円/kWhでした。
それが2024年度は16円/kWhとなっています。
42円/kWhが16円/kWhになっていますので、それだけ見ると売電価格は大きく下落しており、太陽光発電はメリットがなくなったとの意見がでてきます。
しかし、売電価格がなぜ下がったのか理由をみていくと見方が変わります。
売電価格は委員会での議論をもとに決定されます。
では委員会ではどのようにして売電価格を決めているのでしょうか?
委員会では毎年度、その年の設置費用の相場価格や将来見込まれる運転維持費などについて調べます。
そしてIRR(内部収益率)が3.2%程度となるように売電価格を決定しています。
IRRとは収益性をあらわす指標です。
IRRが同じということは、収益性も同等であるということです。
つまり、太陽光発電はどのタイミングで設置しても収益性が同等となるように売電価格が決められているのです。
売電価格が下がっているということは、設置費用が安くなっていることのあかしです。
よく考えてみてください。
もし仮に売電価格がずっと42円/kWhのままで、設置費用だけが年々安くなっていったとします。
そういう状況になると、皆が値段が安くなるのを待ってから設置したほうが得だと考えて、設置を控えるようになってしまいます。
そうなると普及が進まずに、メーカーも量産効果を発揮できずコストダウンも進みません。
普及もコストダウンもほとんど進んでいかず、停滞してしまうことになります。
逆に、もし仮に設置費用がずっと安くならずに横ばいで、売電価格だけが下落していったとします。
そうなると年を追うごとに収益性が悪化していき、再生可能エネルギーの普及がまったく進まなくなっていきます。
そうならないように、国が制度を考えて設計しているのです。
ですので、売電価格が下がったからといってマイナスにとらえる必要はないですし、設置費用が安くなるまで何年も設置せずに待つ必要もありません。
将来的には国の支援策であるFIT法の助けがなくとも、再エネの普及が進むようになることが国の目標でもあります。
また時代は売電から自家消費の時代へとシフトしてきました。
蓄電池もセットで導入して自給自足していくライフスタイルを選ぶ方も増えています。
あらためて結論です。
- 売電価格が下がったのは、設置費用が安くなったから
- 太陽光発電をどのタイミングで設置しても収益性は同等になる